
娘が短大を卒業して東京で就職することに決まり、
初めて一人暮らしをすることになった。
親としては非常に心配なのだが誰もがいずれは独り立ちする必要があり、
それが今なのだと自分に言い聞かせるようにしている。
一番重要な住まいを探すことを優先した。
娘だけには任せられないので二人で一緒に不動産屋を訪ねることにした。
事前にインターネットで住みたい場所を調べてある程度、物件も検討をつけて来た。
その物件を仲介している不動産屋に行くことにした。
不動産屋は私が抱いていたイメージと大きく異なっていた。
不動産屋と言えば、通りに面したガラスに賃貸物件のチラシをペタペタ貼っているように思っていた。
しかし、私たちが訪ねた不動産屋は高いビルの上の方にあって、
まるで普通の会社の事務所のようだ。
賃貸物件のチラシなどは一切貼られてなく、店内はとてもおしゃれな雰囲気になっている。
希望するアパートの話を切り出すと、担当者はこちらからは見えない裏側に入って行き
例のチラシを印刷して持ってきた。
そう、今はパソコンに全部の物件データが入っているので必要なものだけをプリントアウトするのだ。
昔ならクリアファイルに入っているものをいちいちコピーしていたが、
実にスマートなスタイルになっている。
そうして3件のアパートの内見に連れて行ってもらった。
いずれも女の子が住むのに安心できる造りになっている。
アパートの入口はオートロックになっていて入居者以外は簡単に入ることは出来ないようになっている。
また、入口はもちろん、通路などに防犯カメラが設置されている。
そして万が一、何かがあった場合には契約している警備会社が緊急で駆けつけてくれるようになっている。
入居者は女性限定となっているのでさらに安心できる。
大切な娘を離れたところに住まわせるのだから、親としては出来る限りの安全を備えてやりたいと思う。